戦闘民族サツマ人④【イギリスVS島津久光】


ここまで、島津家のけた違いさや、その強さの根源を、お話してきました。

前回≫豪剣!薩摩示現流(じげんりゅう)

薩摩は、豊臣秀吉や徳川家康など、当時の最強勢力と、戦ってきました。
しかし、そこから250年以上も経った幕末、こんどは日本という枠さえ超え
世界最強の帝国と、正面衝突する事態が、発生してしまいました。

そのとき島津久光は、そして薩摩藩は、いったいどうしたのでしょうか?

イギリスVS薩摩藩の始まり

ときは1862年、ペリー来航後の幕末。
横浜付近の生麦村(なまむぎむら)という場所を、
薩摩藩の大名行列が、移動していました。

薩摩藩士
薩摩藩士

したーに~!したーに~!

当時のしきたりで、大名行列が来たならば、
庶民は道を空け、平伏しなければなりません。

そこへ、たまたま、馬に乗った4人のイギリス人が通り掛かりました。

薩摩藩士
薩摩藩士

おぬしら、われらは島津久光公の一行なるぞ、道をあけるのじゃ!

しかしイギリス人たちは、そんな仕来たりは知りませんし、コトバも通じません。

イギリス人
イギリス人

What did you say?

そんなことをしている間に、 彼らは行列のまっただ中に、
巻き込まれてしまいました。

動揺したイギリス人は、馬に乗ったまま、
島津久光の籠に、近づいてしまいます。

側近
側近

この無礼者めが!チェスト―!!

側近の薩摩藩士は、斬りかかり、イギリス人を手討ちにしてしまいました。

世にいう、生麦事件です。しかし、自国民が殺傷されたとあっては、
イギリス本国が、黙っているはずも、ありません。

イギリス海軍の襲来

大英帝国
大英帝国

薩摩藩の、カタガタ。謝罪して、賠償金を払いなさい。
そして、わが国民をサツガイした犯人を、差し出しなさい!

とうじ最新鋭の戦力をもつ、イギリス海軍の軍艦・・
ユーライアス・パール・コケット・アーガス・パーシュース 
レースホース・ハボック

という7隻が、鹿児島湾にやってきました。
いずれも、当時の最新鋭の兵器を、備えています。

とうぜん、言うコトを聴かなかったら・・どうなるか?
そんな含みを、たっぷりと持たせています。

屈しない島津久光と薩摩藩

ちなみに、アメリカのペリーが来た時、
江戸幕府は、武力で追い返すことは、できませんでした。

江戸に衝撃をあたえ『たった4杯で夜も眠れず』などという、詩ができましたが・・
4隻どころか、7隻もの軍艦が、来てしまいました。

さらに大英帝国は、そのアメリカよりも、はるかに強大。
世界地図を見れば、インドも、オーストラリアも、カナダも支配し、
中国の清王朝さえ打ち負かした、最強の帝国です。

この事態に、プライドの高い薩摩藩はいったい、どうするのでしょうか?
大英帝国の要求した、3つ

①事件を謝罪せよ 
②賠償金を支払いなさい
③犯人を差し出しなさい

・・しかし、薩摩藩の返答は、明確でした。

島津久光
島津久光

謝罪はせぬ、賠償金は支払わぬ、斬ったものは差し出さぬ!

すがすがしいほどの、全拒否。

郷に入っては郷に従え、ここは日本なのだから・・日本のルールで手討ちにした。
ただの少しも、非はないと、まったく動じません。

ついに大英帝国は、堪忍袋の緒が切れました。

迫りくる大英帝国

ついにイギリス海軍は行動を開始、
まずは鹿児島湾に停泊している、サツマの船を攻撃。

海兵が乱入し、乗組員を殺傷したり、
追い出して、船を乗っ取ったりしました。

とうぜん薩摩藩も怒ります。

島津久光
島津久光

サツマの船ば、おそうとは、海賊にもひとしき行為!
イギリスの戦艦ば、返り討ちにするほか、なか!

ここに世にいう、薩英戦争の火ぶたが、切って落とされました。

薩摩藩は、陸にそなえつけた大砲から、戦艦を迎え撃ちます。
しかし、大英帝国は、とうじ最新鋭のアームストロング砲も、積んでいました。
圧倒的に、弾の装填時間が短いうえ、射程もけた違いです。

イギリス海軍
イギリス海軍

ファイヤー !

その威力はすさまじく、薩摩の砲台は、次々に壊滅していきました。

そのままイギリスの圧勝かと思いきや・・しかし運は、薩摩藩に味方しました。
しだいに天気が激しく荒れ始め、イギリス戦艦の操縦が、不自由になりました。

島津軍の大反撃

薩摩藩士
薩摩藩士

サツマの意地ば、みせるでごわす!

島津軍は、好機とばかり、大砲を撃ちまくりました。
そのうちの1発が・・提督の乗っていた、戦艦ユーライアスの甲板にさく裂!
副館長が戦死、提督も吹き飛ばされ、ケガを負いました。

ちょっと位置がずれていれば、あわや提督も戦死でした。

自他ともに、世界最強といわれる大英帝国ですが・・
日本の1地方勢力を相手に、まさかのダメージを受けます。

イギリス海軍は、プライドに傷がつけられ、完全に怒り狂います。

さて、この戦いのゆくえは、どうなるのでしょうか。
そして、どんな結末へと繋がって行くのでしょうか?

ちょっと長くなって参りましたので、続きに関しましては
以下の記事で、お伝えしています。
≫セカイにとどろく薩摩隼人たち
ここまでお読みいただき、有り難うございました。