女王卑弥呼【後編】~すべてを国へ捧げた巫女~

こんにちは、ハラッパです。

結婚はせず、子も作らず、人を近づけず・・
ただ、ひたすらヤマタイ国の巫女として、人生を捧げたヒミコ。
彼女はいったい何を想い、何を遺して行ったのでしょうか?

前回≫魏の国をたよるヤマタイ

※話に登場する人物
・曹芳(魏の皇帝)
・張政(魏が送った軍師)
・ヒミコ(ヤマタイ国の女王)
・ナシメ(ヤマタイ国の使者)
・トネリ(ヒミコの弟)
・イヨ(ヒミコの跡継ぎ)

ヤマタイ国と魏の国の絆

魏が後ろ盾となったという宣言も、それを示す黄色い軍旗も・・
狗奴国(くなこく)との戦いには、決定打とはならず。

ヒミコは、ふたたび魏の国に、使者を派遣しました。
しかし、はるか遠方の・・それも、支援しても
見返りのなさそうなヤマタイ国を、そう何度も、助けてくれるのでしょうか?

結果はというと・・

曹芳
曹芳

ようわかった!わが国にも天才軍師・司馬懿(しばい)がいるように
そなたらにも、どうやら軍師が必要な時期のようじゃな。

曹芳
曹芳

わが魏の戦術や外交を、身に着けた『張政』という者がおる。
彼をヤマタイ国へと送ろう。必ずや、そなたらの力となろうぞ!

ナシメ
ナシメ

なんともはや・・お礼のコトバもありませぬ!
しかし陛下は何故、これほどまで、我らに歩みよって下さるのですか?

曹芳(そうほう)の想い

曹芳
曹芳

強いて言えば・・そなたらに共感しておるから・・かのう。
わが魏は中華1の大国とはいえ、まだまだ蜀・呉と、覇権を争っておる。
狗奴国と戦うヤマタイ国も、規模はちがえど、似ておるのでな。

ナシメ
ナシメ

な、なるほど!

曹芳
曹芳

それと一番の理由は、好奇心かもしれぬ。
ワシが尊敬してやまない、かの曹操(そうそう)殿下も・・
未知のモノに対して、いつも少年のように、目を輝かせていたと聞く。

ナシメ
ナシメ

そ、曹操殿下!魏を作り上げたという、あの・・。

曹芳
曹芳

さよう。あの方の前には、すべての壁が無かったのだ。
すぐれた才能、めずらしい人物がいると聞けば、罪人であろうと、
民族が違おうと、あるいは敵の武将にさえ・・仕えぬかと、誘ったのだ。

ナシメ
ナシメ

なんと、王でありながら!たしかに常人のモノサシでは測れない、お方ですな!

曹芳
曹芳

そんな曹操殿下の魅力に、優れた人材の多くが惹かれ、魏を偉大にしたのだ。余も、かくありたいと思うておる。これからも、なにかあれば、また相談なされよ!

ナシメ
ナシメ

亡き曹操殿下・・そして皇帝陛下も、なんという器の大きさ!
お心遣い、重ねて感謝いたします!

ヤマタイ国にやってきた張政

皇帝のコトバどおり、西暦247年、
魏の国から、張政がヤマタイ国に、派遣されてきました。

さあ、ついに軍師を得て、これからというタイミングですが、
しかし・・なんとヒミコは、危篤状態になっていました。

卑弥呼は、夫や、子どもはおらず、そして、人前に姿をほとんど現さず・・
文字通り、ヤマタイ国に、すべてを捧げる巫女でしたが、
その生涯が、まもなく終わろうとしていました。

トネリ
トネリ

ヒミコ様、しっかりなされませ!魏より、軍師殿も、参られておりますぞ!!

張政
張政

皇帝陛下の命により、ヤマタイ国を、お助けしに参りましたぞ!

ヒミコ
ヒミコ

おお・・なんと頼もしきか!しかし、わらわの命は、まもなく尽きるでありましょう。なんと不甲斐ない・・狗奴国の脅威を、退けられぬまま・・行く末を、皆や、張政どのに託したままとは。わらわの存在に、なにか意味は、あったのでしょうか?

人生をヤマタイ国に捧げた卑弥呼

トネリ
トネリ

なにをおっしゃいますや、卑弥呼さま!
あなたのもと、1つにならなければ・・
とても今の、ヤマタイ国はありません。

張政
張政

トネリ殿が申されるとおり!わが中華の歴史をみても、
女王が国をまとめたなど、聞いたことがありませぬ!
皇帝陛下も、あなただからこそ、ともに歩まれるのです!

ヒミコ
ヒミコ

・・そのように言って頂けると、わらわも、報われます。

張政
張政

あなたの歴史は、わが魏が、かならずや、書き記しましょう。
ヒミコ殿の歩みは、何千年たとうと、人々の記憶に残り続けますぞ!

ヒミコ
ヒミコ

張政どの、心からお礼を申し上げます。しかし、わらわは・・、つぎは、巫女でなく、女王でなく・・フツウの人間として、生まれ変わりたいものです。

ヒミコ
ヒミコ

そしてヤマタイも魏も、関係なく、人々とともに語り、うたい、おどり・・酒を酌み交わし・・ああ・・みな笑うておる・・!なんと、たのしき・・光景・・か・・。

トネリ
トネリ

卑弥呼様!・・いや、姉上!!

魏の国から、張政が到着するのと、入れ替わるように、
女王ヒミコは、ここに、その生涯を閉じました。

その後のヤマタイ国

ヒミコの死はヤマタイ国、総出で悼まれ、巨大な墓が、作られました。
そして・・今の価値観では、受け入れにくい事実ながら、

自ら望んでか?あるいは、強制されてか?
100人もの人間が殉死し、ともに埋葬されました。

この墓はどこにあるのか?いまの最先端の考古学でも、判明していません。

そして、卑弥呼の跡継ぎですが、
さいしょ、男性の王が就任したのですが
うまく皆をまとめられず、権力あらそいが起き、内部分裂してしまいました。

そのため、あらたに13才の少女、イヨ(壱与)が女王の座に付き、
そうすると、ヒミコの時と同じく、争いは鎮まり、

ふたたび、ヤマタイ国は1つとなりました。
彼女は、ヒミコの血縁の、誰かではないかと、言われています。

狗奴国のナゾ

また、もっとも気になる事として、
宿命の敵・狗奴国との決着が、どうなったのか・・
残念ながら、よく分かっていません。

魏からやってきた張政が、和睦を促したという説も、ありますが
それが成功し、共存して行ったのか?

それともヤマタイ国が勝利し、打ち破ったのか?
定かな記録がなく、すべては、ナゾに包まれています。

ただ1つ言えるのは、新女王・イヨも、中国に使者を送っているため
この頃まで、ヤマタイ国が存続していたことは、間違いないようです。

ヤマト=ヤマタイ?

しかし、この後くらいから、中国には日本の記述は、パタリと無くなり
その空白が消えたあと・・とつじょ『ヤマト朝廷』という国が成立しており
それが、いまの日本の天皇家にも、つながっています。

ヤマタイがヤマトになったのか?語感は似ていますが、それも謎のままです。

しかし、もしそうであれば・・ヤマタイ国の存続は、
魏の国が、大きく手助けしており
さらに遡ると、三国志は単なる、中国の戦乱物語というだけではなく

じつは今の日本があるのも、曹操のおかげ・・
などという考えも、できるかも知れません。

ヒミコ→陽の巫女?

また興味深い説として・・「ヒミコ」という名まえは、
「陽の巫女」という語感に、当てはめることも出来ますので

日本神話に登場する、太陽の女神アマテラスは、
ヒミコを指しているのではないか・・というものです。

弟は、スサノオノミコトであり、そうすると日本書紀は、
ただの神話でなく、ヤマタイ国の歴史も、なぞらえていたと・・。
もし、そうであれば、すべての見方が一変しますね。

ナゾとロマンにあふれる古代

なお余談ですが、個人的な希望としては、
いつかヤマタイ国の歴史が、あきらかになった暁には
ぜひヒミコを、大河ドラマで、やってほしいと思っています。

「女王・卑弥呼」のタイトルが、画面に・・
オープニング曲は、古代のミステリアスな雰囲気を、濃く出しつつ、
途中、魏の風景や、中国の武将達の姿も、出てくるなど・・

かつてない雰囲気の大河になることは、まちがいなく
これは想像しただけで、胸がおどります。

いずれにしても、この空白の古代は、霧の中で、もどかしい一方・・
いろいろな想像も広げられる、ロマンあふれる時代ともいえます。

江戸時代に、フツウのお百姓が、ぐうぜん金印を発見したように
ヒミコの墓や、魏からもらった金印も、ある日とつぜん発見され
一夜にして、日本史が塗り替えられるかも知れず、

それは歴史学者だけでなく、一般人が、
何かのキッカケで、見つけるコトになるかも、知れません。

是非、いまご覧のあなたも、かつて全てを国のために捧げた
女王・ヒミコの存在を、ご記憶いただき

そして、こうした古代の歴史や、謎解きも楽しんで頂けたら
とても、うれしく思います。

さて、今回のお話は、ここまでとさせて頂きたいと思います。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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