サピエンス全史(ぜんし)要約③~世界のお金はなぜ増えた?~

この現代。ちょっと大きい銀行であれば、
中世の全世界に出回っていた、すべての合計額を、
上回るお金を、持っています。


なぜお金は、セカイにこれほど増えたのでしょうか?
そして、これらは、どこから湧き出て来たのでしょうか?

この記事では、世界的ベストセラーの名著であり
ユダヤ人の、ユヴァル・ノア・ハラリ氏が執筆した
サピエンス全史の内容を、日本人の視点に咀嚼し、
どういったコトが、書かれているのか、わかりやすくお伝えしています。

≫前回2話の内容

敵対しても通貨は欲しい

さて、とつぜんですが・・2014年、ニコニコ動画の元取締役である
『ひろゆき』さんが、1つの驚くべき動画を、UPしました。
そのタイトルは・・『北朝鮮に行ってみた』

その中で、おどろいたエピソードが、ありまして、
途中、キム1族を称える、博物館に立ち寄るのですが

ニコニコ動画『北朝鮮に行ってみた』より

そこのミュージアムショップで、グッズを買おうとしたとき
民族衣装を着た、店員の人は、こう言いました

支払いは円やユーロでも、できますよ

日本人
日本人

え?日本円が使えるのか??

・・という事実に、驚きますよね。

2021年・7月現在、北朝鮮と日本に国交はなく、
あなたも、むしろ敵対している、イメージではないでしょうか?

その総本山とも言える場所で、なぜ日本のお金が、受け入れられるのか。
理由はいたってシンプル、欲しいからです。

ニコニコ動画『北朝鮮に行ってみた』より2

セカイ最高の魔法「お金」

この北朝鮮の話ですが、書籍においては

『アメリカを憎むビンラディンも
ドルを、喉から手が出るほど、欲しがっていた。』

『かつてローマ帝国と戦った、イスラムの国々の人でも
十字架が刻まれた、ローマの貨幣をあげるといえば、
喜んで受け取っただろう・・。』

そう記されている内容を、日本人視点で、変換させていただきました。

・・さて前回の2話で、人類に革命をもたらす、
魔法のモノガタリという内容について、お伝えしましたが

その中でも、最強といえる存在、それが『お金』です。

なにしろ、この地球上、どれほど敵対している国同士であっても
その価値やルールが、共有されているのです。


まさに、歴史上どんな帝国や、超大国よりも
セカイを統一している存在と、言うコトができます。

そしてユヴァルは、このお金こそが、
世界平和のカギになり得る
と語ります。
それは、いったい、どういうコトなのでしょうか?

また地球上の、お金の総量は、時代が進むほど、
けた違いに、増えているのですが
この圧倒的な量のお金は、いったいどこから、出てきたのでしょうか?

どこからお金を得る?

これは歴史を模した、たとえ話ですが、西暦1500年。中世ヨーロッパの、とある王国に
フィリップという王様がいました。
あるとき、彼はこう思いました。

フィリップ王
フィリップ王

お金が欲しい!

王国のお金を増やすには、どんな手段があるでしょうか?

フィリップ王
フィリップ王

よし、民衆の税金をあげるか?

しかし、これはやり過ぎると、不満が溜まりますし、
下手をすれば、反乱が起きるかも、知れません。

フィリップ王
フィリップ王

しかたない、では・・となりの国に攻め込んで、奪い取るか!

フィリップの王国は見事、勝利!隣国の財産を、吸収しました。

フィリップ王
フィリップ王

ようし!この金で、豪華な宮殿を立て、
わが1族の名誉を、さらに上げるぞ!

このフィリップ王のように、この当時、世界中に存在するお金の量は
一定で決まっており、もし大量に増やしたければ、どこかから奪うしかない。
大半のニンゲンが、そう考えていました。

そして王様や貴族の夢といえば、巨大な宮殿を建てたり、
豪華な舞踏会などを開き

民衆
民衆

フィリップ王家こそ、もっとも威厳ある一族だ!

・・と、思われることが、最大の夢でした。

ただ、上流階級でもない一般庶民は、お金は限りがありますので
浪費は悪であり、倹約こそが、正しいという価値観が、多くを占めていました。

お金をムゲンに生み出す方法

しかし、1776年、とあるスコットランドの学者
アダム・スミスという人が現れ、とんでもないことを、言いだしました。

アダム・スミス
アダム・スミス

お金を無限に、生み出す方法がある!増えたお金は倹約せず、
使うのだ!そうすれば、すべてのニンゲンが、豊かになれる!

これは、どういうことなのでしょうか?

まずは職人でも、農家でも、誰であれ・・
もし、お金に余裕が出たら、貯金せず、事業に投資する。

そのお金で、さらに多くのニンゲンを雇い、もっと利益を上げます。
それを元手に、もっと事業を、もっと雇用を!

そして、全員が積極的にモノを買い続ければ、売った先も儲かり
いつしか、すべての人が、豊かになれるという論理です。

アダム・スミス
アダム・スミス

みな、この歯車を回そう!
もう誰かのお金を、奪う必要もない。
セカイのお金は、無限に増やすことが出来るのだから!

この魔法の理論は、セカイを一変させました。
『利益を出す⇒溜めずに投資する⇒利益を出す』

このサイクルをひたすら回し、巨万の富を得る人も、出現しました。

王様よりも事業家のセカイへ

さて、もし、あなたが中世ヨーロッパの
庶民だったとします。

フィリップ王は、いつも、こんなコトを言います。

フィリップ王
フィリップ王

こんど、町の中心に大聖堂を建てる。税金を上げるぞ!

フィリップ王
フィリップ王

こんど、隣国に攻め込む。男性は兵士となるのだ!

一方で実業家が現れて、こう呼びかけます。

起業家
起業家

こんど、パン工場を建てたいのだが、資金が必要でね。
あんたも、お金を出さないか?このパンはきっと、すごく売れる。
儲かったら、あんたにも利益の一部を渡すよ!

さて、あなたは、どちらに喜んで、
お金を、払いたいでしょうか?

どちらの人に、ついて行きたいと、思うでしょうか?

かくして、しだいにセカイは、王様や貴族に取って代わり
商人や社長や、銀行家といった人びとが、チカラをもち、
支配して行くようになりました。

稼いだら、貯めないで再投資を!
倹約しないで、買い物を!
経済が成長すれば、みんなが幸せになれる。

このモノガタリは、資本主義と、呼ばれるようになりました。

資本主義の歯車

さて、この資本主義のモノガタリの中においては、
人類が、セカイ全体のお金を、増やし続けるのに
不可欠な、魔法があります。

それはいったい、何なのでしょうか?

また、お金の存在が、やがて世界平和につながるという、著者の主張とは?

ちょっと長くなって、参りましたので、
この続きは、以下の記事に分けて、お伝えしています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

≫サピエンス全史かみくだき④~お金が世界平和を作る?~

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