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ここまで当記事では島津家の、けた違いさについて、お話してきました。
しかし薩摩の強さは、戦術や外交だけはありません。
個々のサムライが習得した剣術も、独自かつ、
とんでもない強さを誇りました。
令和の、いまにも伝わっている、示現流とは、どんな剣術なのでしょうか?
脅威の薩摩示現流(じげんりゅう)
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ときは幕末、この時代“剣の強さ”で最強だった存在は?
・・と、聞かれたら、あなたは、誰が思い浮かぶでしょうか。
真っ先にイメージするのは、武術の達人集団、新選組かと思います。
また北辰一刀流(ほくしんいっとうりゅう)を極めた、坂本龍馬。
神道無念流(しんとうむねんりゅう)を極めた
長州の桂小五郎なども、剣の達人でした。
そんな豪の者が、うようよしていた、京都にあって、
だれもかれもが、1目おき
突出した強さを誇ったのが、示現流の剣術を身に着けた、
薩摩藩のサムライたちでした。
すべてを攻撃に振り切る
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最大の特徴は、とにかく、さいしょの一撃に、
あらん限りの力と、勢いを込め
敵を斬り伏せるという点です。
外されたり、失敗したときのことは、2の次。
基本的に防御の技はなく、攻撃に全集中という極端さです。
さて、この薩摩示現流の稽古ですが、
刀と同等の重さの、硬い木の棒をにぎり
地面に刺して立てられた、木にむかって、
朝夕、何千回も、ひたすら
絶叫しながら、打ちつけるという、荒修行。
伝承によれば、1日に1万回以上、これを繰り返したという記録もあり
現代の剣術家が再現して、試してみたところ・・
なんと、6時間以上も、かかったそうです。
チェスト―!!
そして、示現流を象徴するのが、攻撃する時のかけ声。
よく『チェスト―!!』という風に、表現されます。
どの剣術でも、打ち込むときは「せい!」「とりゃー!!」
などと、叫んだりするものですが・・
示現流は、敵をひるませ、制圧するため、
とくに甲高い声。
「きえぇーいぃぃ!」「チェスト―!」などと叫びながら、
上段から、一撃必殺の、豪剣を振り下ろします。
荒稽古で、想像を絶するほど、鍛えられた腕力と、勢い!
そのとてつもない威力は・・刀で防御した敵が、受け止め切れず
そのまま、ジブンの刀が額に、めり込み、
絶命していたことがあったとさえ、伝わります。
新選組さえ警戒
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示現流を身につけた、薩摩藩士は、1人や2人ではありません。
大勢が「チェスト―!」と叫びながら、突っ込んでくる様子は
敵の立場にしたら、思い浮かべただけで、恐怖です。
そのため、新選組の隊長・近藤勇さえ
![近藤勇](https://aeroporto-tokyo.com/blog2/wp-content/uploads/2020/12/1217808-e1620796656614-150x150.jpg)
よいか!示現流と闘うときは、ぜったい最初の1撃は受けるな!
そう、隊士たちに、伝えていたといいます。
とっさに防御することさえ不能、かわす以外にない1撃・・
これは、ほんとうに。
もし自分が、武術の達人だとしても、
薩摩示現流とだけは、闘いたくありませんね。
現代の薩摩示現流
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さて、薩摩示現流は、戦国時代の島津家の家臣
東郷重位(とうごう・しげかた )という剣豪が、編み出しました。
そこから400年以上もの時を超え、
令和の時代になった今も、実践古流剣術として、受け継がれています。
つうじょう剣道においては、道着をまとい、
礼にはじまり、礼におわるものですが・・
いつ、いかなる場面でも、戦えなければいけない示現流は
Tシャツとジーンズ姿でも、稽古に参加するコトが、認められています。
また本当の戦いは、始まるときにアイサツなどしないので
礼をしないことも、容認されています。
ほんとうは戦わなくて済むために
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とはいえ、示現流は、ひたすら戦闘狂になれ、というのではなく
むしろ真逆。
刀は抜くべからざるものと、最初に教わります。
古来より、数多くの強敵と、相まみえた薩摩全体にとっても
いたずらに力を誇示し、戦ってばかりでは、いつか滅びかねません。
文武両道こそが推奨され、退くときは退き、
手を結ぶべきときは、手を結ぶ。
とはいえ、強大な相手に対しては、闘ったらタダではすまない!
・・という抑止力を、交渉の切り札に。
最終的には、むしろ『争いをしないために、強くあれ』という精神が
さいだいの教えと、されてきました。
その方針をもって、薩摩藩はどんな時代も、天下人にさえ媚びず
誇り高く、あり続けました。
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なお・・もし、今回の話をきいて、薩摩示現流を
じっさいに習得してみたいと、思われた方は
鹿児島県では、道場の門戸が開かれています。
稽古にくる半分は、県外からというコトでもあり
心技体をきたえるため、実際に入門を目指してみるのも、
いかがでしょうか?
薩摩の教え『男の順序』
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さて、島津家の強さのヒミツは、その教育にもありました。
戦国時代の島津義弘が残し、後世まで薩摩藩士に
伝わった教えに、男の順序というものがありまして
立派な人間として、称えられるべき順番に
5つの人生を示しています。
一、挑戦し成功した者
二、挑戦し失敗した者
三、挑戦しないが挑戦者を助けた者
四、何もしなかった者
五、批判だけする者
さいごの4と5は、むしろ卑怯者という意味さえ、含んでいますが
おどろくほど、今の時代とも、人間の本質は変わりません。
ちなみに大阪府の吉村知事(2021年・5月現在)が、ソフトバンクの孫正義と
オンライン会議をした際も、この『薩摩の教え・男の順序』を引用し、
政策やビジネスにおいても、もっとも重要な1つと、話題にあげたそうです。
まとめ
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島津家のけた違いさは、肉体的な強さや、戦術にくわえ、
サムライ1人1人が、ただ命令を聞くコマではなく
それぞれが自分の立場として、最善を考え
それでいて、最後は上の決定に、必ず従って団結。
もはや、強くない理由が、ありませんね。
あなたも是非、薩摩藩は最強!・・というだけでなく
その精神や、巧みさなどにも、注目してみて下さい。
なお、薩摩藩については、以下の記事でも語らせて頂いています。
よければ、ぜひ合わせて、お読みください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。