あなたは、古代・中国のレキシをもとに書かれた、
三国志を読んだコトは、あるでしょうか?
ストーリーの面白さや、登場人物の魅力から、
いまはマンガやゲームで、親しんでいる人も、多いかも知れません。
出てきた瞬間に、斬られたりする、端役もふくめると、
1000人以上も出てくるという、この三国志。
その中にあって、いちばんの悪役として描かれ、
しかし、いまの価値観でも、常人のモノサシをはるかに超えた武将、曹操。
すべてをお話しては、とても語りつくせませんので、
こんかい、とくに驚くべきエピソードや、曹操の魅力にフォーカスし、
三国志を知らない方であっても、わかりやすいよう、お話して行きます。
はかり知れない曹操の行動
今からはるか古代、西暦155年。
中国全土は『漢』という、巨大帝国が治めていました。
しかし、時が立つと腐敗が進み、ワイロを送ったり、役職を金で買ったり、
正しい政治をしようとした人が、罠にハメられ、牢屋に入れられることも、横行。
民衆には貧富の差が拡大し、乱れていました。
曹操は、その漢に仕える、わりと名門の家柄に、生まれたのですが
若い頃は、札付きの不良とつるんだり、悪知恵を働かせ、
いたずらをしたり・・ときには、人の花嫁を盗んだり。
そうとうな、やりたい放題をしている、悪ガキでした。
しかし、そんなコトをしながらも、さまざまな町や村を、みた曹操は、思いました。
人々の暮らしは、相当にヒドイな。不満や怒りも、渦を巻いている。
この先、この国には、とんでもないことが起きる。
警備隊長・曹操
さて、そんな彼でしたが、成人すると、黄河流域にある、
漢の都・洛陽(らくよう)で、就職することになりました。
家が名門なので、いろいろなコネも、あるなか・・彼はあえて、
洛陽の北の門を守る、警備隊長の職につきたいと、希望しました。
それを知った、彼の知り合いは、言いました。
おい、曹操。お前ならもっと、位の高い役職に付けただろう?なぜ、そんな役職を希望するんだ?
そう遠くない将来、この中華には、とんでもない戦乱が起きる。
だからこそ、この仕事が良いのだ!
戦乱が起きそうだから、門の警備隊長をやる?
一見・・繋がりが、よく分かりませんが、
後々になって、この選択が、想像を超えた結果を、生み出すことになります。
門限はゼッタイにございます
さて、役職についた彼は、門の横に、たて札をたてました。
そこには、こう書き記してありました。
たとえ誰であろうと、この門の決まりを破れば、処罰する!
当初、周辺の風紀や、治安は乱れていたのですが
騒ぎを起こしたり・・夕方、門限が過ぎても、通ろうとするなど、
規則に違反した人間を、曹操は容赦なく捕まえ、処罰していきました。
そんなある日の、夕刻・・皇帝のそば仕えで、宮廷で大きな権力をもつ
蹇朔(けんさく) という人物の一行が、外出を終え、洛陽に帰ってきます。
蹇朔さま、ほんじつは門限を過ぎました。また明日のアサ、お越しくだされ。
なんだ、この若造は?ワシに野宿せよと?ものども、このバカは無視して、かまわん!このまま、おし通るぞ!
ところが・・。
守備兵たち!このモノは法をやぶった。そっこく捕え、棒叩きの刑にせよ!
なんじゃと!ええい、きさまら!いったいワシを、誰だとおもっ・・
ぐわぁぁぁ!
蹇朔は、棒たたきの刑にされ、しかも、そのショックで、死亡してしまいました!
洛陽をかけめぐるウワサ
この事件は、たちまち洛陽はおろか、中華全土に、駆けめぐります。
おい!曹操ってのは、とんもないヤツだ!
一介の警備隊長が、帝国の権力者を裁くなんて、きいたコトがないわ!
北門の近くじゃ、下手な事はできねえ!曹操に、百叩きにされるぞ!
こうして洛陽の北側は、治安が劇的に改善され、
規律も、守られるようになりました。
しかし・・蹇朔(けんさく)の一族は、とうぜん怒り狂い、そして考えます。
おのれ曹操、わが一族に大恥を!刺客を放って、暗殺してくれる!!
ところが、表ざたにはせず、闇に葬るのが暗殺。
それをするには、あまりにウワサや、評判が広まり過ぎており、
ついに曹操へ手出しはできず、実行することは、出来ませんでした。
栄転という名の左遷
仕方なく、代わりに蹇朔の一族は、宮廷の権力者に、根回しをしました。
ある日、曹操に辞令がとどきます。
そなたの功績、みごとである!よって県令に任命する
門の警備隊長から、いわば市長や、県知事のような、
1地方を治める長官という、異例の昇進が伝えられました。
ところが実態は、要するに、洛陽から曹操を追い出す、厄介払いでした。
しかし、その後、漢帝国の中枢では、はてしない権力争いが、勃発。
ここで曹操は、中心地の洛陽から、離れていたことで、
逆に、巻き込まれずに済みました。
漢帝国をゆるがす黄巾の乱
さらに国が乱れると、生活に苦しむ農民達は、漢に反乱を起こしました。
1000人が1万に、1万が10万にと・・とんでもない勢いで、反乱軍は増大。
反乱軍はシンボルとして、みな黄色い頭巾を、かぶっていたので、黄巾の乱と呼ばれました。
反乱軍とはいっても、半分は盗賊みたいなもので、各地の都市は、
つぎつぎ襲われ、好き放題、略奪され始めました。
さすがの漢帝国も、これには衝撃を受け、各地の武将に討伐を命じます。
活きる警備長じだいのウワサ
曹操も含め、名のある武将たちは中華全土の、勇猛な武人や、すぐれた軍師に
『今こそ、われらのもとへ集え!』と、呼びかけて、回りました。
さて、ここで優秀な人材が、誰の誘いに応じるのか?
仕えるべき主君は、未来の命運を左右する、決断となりますが・・
そういえば洛陽で、権力にひるまなかった曹操!あれは、ただものではないぞ!
ふむ、おなじ人生を賭けるなら・・あの曹操に仕えるのも、面白そうじゃ。
ここにきて、いぜんの洛陽で広まった評判が、大きく響きました。
智将・猛将・商人など、優秀な人材の多くが、曹操のもとに集い、
彼らの活躍が、のちのちの運命までも、左右する事となりました。
さて、ここから曹操は、いろいろな武将と、中華の覇権を争うコトになるのですが
その中にあっても『え、まさか!』と、思うような、常識をひっくり返す、
出来事を、起こしていきます。
少し、長くなって参りましたので、
さらなる曹操の、エピソードについては
以下の記事に分けて、続きをお伝えしています。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。