太古のホモ・サピエンスたちは、なぜ神様を、
ココロから信じることが、できたのでしょうか?
そこには、いま私たちが暮らすセカイの、
あらゆる存在にも通じる、ヒミツがありました。
なお、前回の内容については、以下をご覧ください。
神様とともに誕生したモノ
こんにちは、社会福祉士の、ハラッパと申します。
この記事は、世界的ベストセラーの名著であり、ユダヤ人のユヴァルが執筆した
サピエンス全史の内容を咀嚼し
大切な部分を、日本人視点に置きかえ
たとえ話のストーリー風に、お伝えして行く内容になります。
さて、むかし、むかし・・3万年前という、気の遠くなるような、はるか昔。
私たちの祖先の脳には、革命がおこり、
サピエンスは、神様を生み出しました。
たとえば、ある極東の島では・・
よいか若い衆、ワシらの住むセカイは、ミシャグジさまが
創造されたのじゃ。
またアフリカの、ある地方では・・。
豊穣の女神・アシュタロトは、実りをもたらしてくださる。
祈りをささげ、すべてをゆだねましょう。
地域ごとに、その名前も信仰の形も、カタチは様々でした。
ある神様は、山や海など、自然にやどった精霊。
また、ある神様は、はるか天の彼方で、世界をつくった創造主。
また、巨大な鹿や、ジャガーといった、動物を信仰している、民族もいました。
さて、ここで生じる疑問があります。なぜサピエンスたちは、ある意味
架空とも言える存在を、信じることができたのか?
それは、神様とともに・・神話を作ったからでした。
モノガタリを、作ったからでした。
人のココロをゆさぶるモノ
ただ、神様がいるというだけでは、突然それは何?と
理解もできなければ、興味もわきません。
しかし、そこにモノガタリが加わったとき、フシギなことに
それは、人びとの心へ宿るのです。
例えば、大人気アニメ。鬼滅の刃のことを、考えてみましょう。
作品を知らない人が、とつぜん、刀をもった少年や、
竹をくわえた少女だけを、見せられても
え?この2人は・・なんなの?
としか、思えません。
ところが・・
この少年は、妹を鬼にされてしまったんだ!
だからニンゲンに噛みつかないよう、竹を咥えさせられている!
主人公の炭次郎は、ぜったいに、ニンゲンに戻す決意を胸に、命がけで戦っているんだ!!
という・・ストーリーを聞かされたとき
ああ、そうだったのか。炭次郎、がんばれ!
と、ココロを動かされるのです。
150の法則を超えたサピエンス
モノガタリが人のココロを惹きつける・・
これは神話や伝承も、同じでして
この木にリンゴが成るのは、なぜか?それは神様が、人間のために、与えてくださっているからじゃ。我々はみな、神の慈悲によって生かされている。
と言うモノガタリを聞いたとき
ああ、そうだったのか、神様、感謝いたします!
と、感激したり・・
なぜ病気が流行る?なぜ洪水が起きる?それは、
人間の悪しき行いに、神がお怒りになっているからだ!
と聞けば・・
どうか、お許しください、良き行いをして
悔い改めなければ!
といった形で、ココロを揺さぶられます。
こうして神様とモノガタリが、合わさったとき、
150という数を超えると、ぜったいに仲間われを起こす
すべての生物の常識、150の法則を、サピエンスだけが、打ち破りました。
ネアンデルタール人との決着
さて、ここで話は前回に戻り、身体も大きく強かった
ネアンデルタール人。
豊かな土地をめぐって争えば、いつも勝ちめは無かった、サピエンス。
しかし、ふたたび決戦となったとき
ネアンデルタール人は驚愕しました。
なんだこれは、やつらが大地を、埋め尽くしている!
サピエンス達を導く、神官は、言いました。
これは、神のための聖戦である。たとえ死しても祝福され、神の御許に招かれるであろう。戦うのだ、その果てに、未来がある!
な、なんだコイツら、正気じゃねえ!
いくらやられても、向かってくる!
だ、ダメだ。こんなやつらには、勝てない!に、にげろ!
いくら強くても、150人が限界のネアンデルタール人と、
千人も2千人をも、超えられる
サピエンス達では、もはや勝負になりません。
かくして、この地球上でホモ・サピエンスは急拡大。
その他の人類種は・・滅ぼされ、
わたしたちの祖先が、ゆいいつ、生き残りました。
さて、この太古の出来事ですが、じつは現在の考古学において、
サピエンスがネアンデルタール人を、滅ぼしたという直接の証拠は、
見つかっていません。
しかし、地球上の大陸で、サピエンスが移動した先々で、
“なぜか”ネアンデルタール人は、絶滅して行っている事実があり、
『これが、何を意味するか、分かるだろう?』
と、著者のユヴァルは、語っています。
魔法のモノガタリ・虚構のチカラ
さて、書籍では、架空の存在のもと、団結するサピエンスの能力は
【虚構(きょこう)】というコトバで、表現されていますが、
ここでは分かりやすく【魔法のモノガタリ】と、いった呼称にします。
今お聞きのあなたは、神様や神話といわれても
とくに無宗教であれば、なにか遠い出来事のように、
感じるかも知れません。
しかし実は、どんな人であれ・・もちろん、あなたも。
ココロの奥底から信じている、魔法のモノガタリが、ゼッタイにあります。
その名まえは、たとえば『日本』です。
日本というモノガタリ
あなたは生まれる前から、じぶんは日本国民だと
DNAに、刻まれていたでしょうか?
いや、生まれたあと、必ず大人たちから、名を授かったハズです。
そして、こんなモノガタリを、教えられたハズです。
あなたには、おじいちゃんや、おばあちゃんがいて、
みんなで、社会をつくって、暮らしてきたのだと。
やがて、学校に行き、仲間と学び
社会へ羽ばたいていく、というモノガタリを、教えられたと思います。
そして大人になれば
創業30年!私たちは、皆様のお役に、立ち続けてきました。
といった、会社というモノガタリに共感し、加わることもあります。
そして、見ず知らずの、ニンゲンではあっても
ああ、あなたもおなじ、〇〇高校出身でしたか!
やった!日本人が金メダルだ!!
いつのまにか、このように思ったりするように、なります。
はるか古代においては、150人しか集まれなかったサピエンスが、
日本というモノガタリにおいては、1億2千万人も、まとまっているワケで
それを考えた時、もはや、単位の次元が違いますね。
神様・国・会社・テレビの魔法
さて、ここまで聴くと・・
いや、でも・・宗教と国と会社は、違うのでは?
と、思われる方もいるでしょう。
しかし、どれも物体としては存在せず、架空でありながら、
人々をまとめている点で、同じであり、
それは、わたしたちの世界の
あらゆるところに、存在しています。
もっと身近なものとしては、アイドルの〇〇みたいなファッションをすれば、
モテて、幸せになれる。といったものも、1つのモノガタリであり、
大勢が信じている、存在といえます。
さて、もう一つ。これらは大抵、様々な魔法が加わることで、
この世界に影響力を、発揮します。
たとえば、ある法律家が、とある魔法の書類にサインをすると、
このセカイには、いままで存在しなかった、会社や法人が誕生し、
人びとは集い、働き、利益を生み続けます。
また、キリスト教においては、それまでフツウの、パンやワインだったものが
神父様が『魔法のコトバ』を朗読し、祈ると、
それはキリストの血や肉へと変わり
人びとは、厳粛で神聖な気持ちで、
イエスへの感謝を、思いだすこともあります。
さて、これら魔法のモノガタリは、最強にして、不滅の存在でもあります。
なにしろ、個々では、ニンゲンの能力には、限界があるにも関わらず
国にしろ会社にしろ、職人、科学者、営業マンなど、
その才能を結集し、融合させ、
パソコンや飛行機や、ミサイルといった、
およそ、生物の常識を超えたものさえ、
創り出してしまいます。
そして架空で、実体がないゆえに、
人間の寿命が来ても、何百年経とうと、不滅です。
なぜ今、サピエンスが、他のどんな生き物の追随を許さず、
地球で、栄えているのか?
すべては、魔法のモノガタリのチカラと、言うコトができます。
魔法のモノガタリの副作用
しかし、ここで1つ、とても重要なことがあります。
これら魔法のモノガタリは、ニンゲンを、
幸せにしてくれるのでしょうか?
あなたは、これまで人生、まいにちハッピーで
ステキなこと、ばかりだったでしょうか?
じつは、魔法のモノガタリには、とんでもない負の側面が、ともなっていました。
そのむかし、多くの人々は、王様の命令はゼッタイである、王国という
モノガタリの中で、来る日も来る日も、巨大な石を運ばされたり、
重い税金や、戦争に行かされ、苦しんだことがありました。
カースト制度というモノガタリでは、心から愛し合う人同士でも
階層が違えば、結婚は認められず、最下層のニンゲンは、
どうがんばっても、抜けだせないといったことや
ブラック企業という、モノガタリの中においては
過労死してしまったり、心を病んでしまう人も、います。
あるいは、セレブは最高、というモノガタリを信じ、
それに比べ、自分はなんてミジメなんだと、
劣等感に、苛まれている人々もいます。
ほんとうの幸せを得るには?
さて、それでは・・わたしたちが、ほんとうの幸せを得るには、
どうすれば良いのでしょうか?
まずは、このセカイを創る多くは、国も会社もTVも・・
じつは実体のない、魔法のモノガタリによって出来ているのだと、分かり
自覚することが、大切です。
なお、これからも人が生きていく上で、
モノガタリはぜったいに、必要不可欠ですので、
助け合いや、協力といった、すばらしい部分は、
ぜひ積極的に加わりつつ
しかし同時に、盲目的に信じ、モノガタリに支配されてしまっては、いけません。
つねに広い視点をもち、魔法のモノガタリ達と、巧みに関わっていく事が
幸せに過ごしていくため、とても大切なコトではないでしょうか?
是非あなたも、あらためて、今くらしているセカイを、
こうした視線で、見直してみて下さい。
まとめ
さて、今回の内容については、
ここまでにしたいと、思います。
なお、サピエンス全史には、いま世界を動かしている
お金の話や、これから人類はどうなって行くのか?
そうした未来の予測ついても、語られており
当ブログでは、引き続き、こうした内容についても
お伝えしています。次回の内容は、以下となります。
ここまで、お読み頂き、ありがとうございました。