サピエンス全史かみくだき④~お金が世界平和を作る?ハラリの予言~

こんにちは。
この記事では、世界的ベストセラーの名著であり
ユダヤ人のユヴァルが執筆した
『サピエンス全史』の内容を咀嚼し、大切な部分を、
かみくだいて、お伝えして行くといった、内容になります。

なお前回の内容は、以下よりご覧ください。

サピエンス全史かみくだき③~世界のお金はなぜ増えた?~

『資本主義』という魔法のモノガタリ

前回、世界にとつぜん現れ、お金の量は、
はてしなく、増やすことができると、
言いだした天才学者、アダム・スミス。

現実として、文明社会は、この仕組みにより
けた違いの勢いで、栄えました。

このモノガタリは、やがて『資本主義』と呼ばれましたが、
無限にお金を増やし続けるために、
資本主義には、ある極めて重要な魔法が、存在しています。
それは、いったい、どんなモノなのでしょうか?

大勢が幸せになれる仕組み

分かりやすい例えとして、こんな話をしましょう。

この現代、パン屋を開く夢をもっている
とある女性がいました。

しかし、厨房やオーブンを作り、店を構えるには
多額の資金が、必要となります。

ベーカリーを開きたい女性
ベーカリーを開きたい女性

でも手元に、そんなお金は無いなあ。どうしよう?

さて、それと時を同じくして、あるところに、建設業を営む、
立石さんと言う人が、いました。
彼は、仕事をがんばり続け、1億円を儲けたので、こう考えました。

立石さん
立石さん

よし、銀行に預けるぞ!

立石さんの持ち金の1億円は、銀行が預かりました。

そんな折り、パン屋を開きたい女性も、銀行にやってきました。

ベーカリーを開きたい女性
ベーカリーを開きたい女性

パン屋を開くお金を、貸してもらえないでしょうか?

銀行は、女性の計画を聞き、こう判断しました。

銀行
銀行

なるほど、あなたのパンは、たしかに売れそうですね。
わかりました、1億円をお貸しましょう。

銀行は、立石さんから預かっていた1億円を、
そのまんま、女性の口座へと移動させ、貸してくれました。
いっぽう立石さんの、口座残高ですが、
いぜん変わらず『1億円』と表示されています。

めぐるお金

さて、お金を借りた女性は、 建設業を営む立石さんの所へ、行きました。

ベーカリーを開きたい女性
ベーカリーを開きたい女性

この1億円で、お店の建設を、お願いします。

立石さん
立石さん

ご依頼、ありがとうございます。よし、新たな仕事で、もっと稼ぐぞ!

さて・・この時点で、立石さんの資産は、口座に表示されている1億円、
そして女性が支払った1億も加わり、合計2億円に増えました。

やがて銀行は、女性が払う利子で、めでたく儲けました。

そして、女性も、開いたパン屋が繁盛。
夢も叶い、さらに1億円は銀行に返しました。
さらには、何千万円も、利益を得ることができました。

みんなが皆、お金が増え、ハッピーになりましたね。

架空のお金を貸して良いの?

しかし、ここでちょっと、フシギなことがあります。

この一連のやり取りで、最初からホンモノとして存在したお金は、
立石さんが、はじめに振り込んだ、1億円のみです。

銀行は、その1億を、立石さんにも、女性にも

銀行
銀行

口座に、ありますよ!

こう、言っていたコトになります。

こう聞くと、あなたは
「え?ホントは存在しない金額を、勝手に作り出していいの?」
と、思うかもしれません。

もちろん通常は、こんなコトは、できないのですが
ある魔法のモノガタリを通したとき、それは可能となります。

その魔法の名は「信用」
またの名を「クレジット」と言います。

女性のベーカリーは、必ず繁盛して利益を上げる・・だろう。
その未来への信用があれば、
銀行は架空のお金を作り、貸しても良いのです。

これは法律でも定められた、正当なるルールです。

もし、この魔法がなかったとしたら、どうでしょうか?
パン屋を開きたい。けれども・・元手のお金が、なかった女性は
夢と情熱だけを携え、建設業者に、足を運ばなければなりません。

ベーカリーを開きたい女性
ベーカリーを開きたい女性

すみません、今は払えないのですが、
先にお店を、建設してもらえませんか?

ベーカリーが出来て、繁盛するまで、無給で働いてください・・。
そんな無茶を聞いてくれる人が、いるでしょうか?

クレジットの魔法

しかし、この信用・・クレジットの魔法が誕生するまで、世界中が、その状態でした。
運送業をやりたい、大きな遊園地を作りたい、服屋をやりたい・・なんであれ、
もしそう思っても、一生、夢のままで終わる人生が、当たり前でした。

しかし人類は、信用の魔法のおかげで、そのループから解放されました。
信用をもとに、まず架空のお金を、銀行が貸します。

いずれ儲かってホンモノの、お金になります。
そして、また、架空のお金を作る・・。
そこかしこで、その歯車は、はてしなく回転を続け

いつしか、全世界に出回るお金も、たちあがる事業も、
倍々ゲームといった、かけ算で増え続け、
文明社会は、けた違いの勢いで、栄えることができました。

さて、ここでさらに、もう一つ。この魔法は人類に、素晴らしい未来を
もたらす、大いなる可能性をもっています。
それは・・世界平和です。

サピエンスに世界平和が訪れる?

ユヴァルは、こう語ります。

『今日(こんにち)、お金と世界の人びとの、
結びつきは、どんどん強まっている。

このさきも、それが続くほど、戦争は無くなって行くだろう』


その理由は?と言いますと、
もし仮に、どこかの国が、戦争をしようと考えても、
そのリスクは上がり、反対に、勝利しても得られる利益は減るので

そんなバカげたことをするより、互いに経済活動をした方が
はるかに、お得な構図となるからです。

これは、どういうことでしょうか?

もしアメリカの土地を占領したら?

一昔まえ、中世に王国や、帝国が栄えていた時代。戦争で勝利した国は、
敵国の畑や家畜、奴隷、金銀財宝などを、得ることができました。
それら実体のあるものは、奪い取るのが簡単です。

しかし、この現代において、富の大半は、
信用や技術や、人材といった中身に、変わっています。
これらを、どうやって、奪い去れるというのでしょうか?

仮にもし、この先どこかの国が、アメリカ軍と戦い
犠牲を払いつつも、勝利できたとします。
やがて本土に攻め入り

侵攻軍
侵攻軍

よーし、サンフランシスコに上陸し、カリフォルニアを占領するぞ!

・・といった具合に、侵略を開始したとします。
しかし、それを行って、得られるものとは、何でしょうか?

カリフォルニアで、ばく大な財産を生み出している根源、
GoogleのITエンジニアも、
ハリウッドの監督も、

そんな軍隊が来る前に、人も技術も持ち去って、
とっくに、どこかに避難しているでしょう。

そうなれば、たとえシリコンバレーを占領しても、
そこに残されたのは、空っぽの跡地のみです。

他にも広大な畑だとか、ディズニーランドがあり
これらは、実際に占領する事は、できると思います。

それにしても、アメリカと全面戦争するリスクや難易度、
とてつもない、労力や犠牲に比べ、
とてもではないですが、採算が合う行為とは言えません。

それに戦争が起これば、じぶんの国で経済活動をしている人々も
つぎつぎと逃げ出したり、貿易の多くが断ち切られ
大打撃となります。

そんなことをするより、アメリカ人に商品を売ったり、
株式を売り買いしたり、儲けることに集中したほうが、
はるかに犠牲もなく、お得になるというわけです。

このようにセカイは、これからも、仲の悪い国同士の、
小競り合いは依然、続くものの

『大国どうしが、大戦争を起こす行為は、封じられていき、
やがて人類は、かつての世界大戦のような
全面戦争は起こさなくなるだろう。』


そうユヴァルは、語っています。

世界規模では、戦争を減らし、平和に向かわせる。
個人規模では、何か事業をやりたいなと思えば、
そうした夢に、チャンスもくれる。

完璧で、なんとも素晴らしい、パラダイスのような
モノガタリですね。

魔法の代償

しかし、ここで・・1つ。
およそ世界中で語られる、おとぎ話や童話にも、有りがちな様に。
強力な力には、それ相応の代償も、伴っていました。

お金における、その代償とは、いったい何なのでしょうか?

また人類・・サピエンス達は、太古の昔にくらべ
文明を生み出し、はるかに人口もふえ、進化を続けてきた
わけですが

では、それによってみな、ハッピーになったのでしょうか。
進化=幸せ、なのでしょうか?

ちょっと長くなって参りましたので、そうした続きにつきましては
また次回の記事で、お伝えしています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

≫サピエンス全史かみくだき⑤~ほんとうの幸福とは?~

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