ソーシャルワーカーとは?カウンセラーとの違いなど、職業を解説

こんにちは、社会福祉士のハラッパと申します。
お年寄りの生活相談に、5年ほど従事してきました。

ところで、あなたはソーシャルワーカーという職業を
よく、ご存知でしょうか?

正直、わかりにくい部分も、多いですよね。

とりあえず、何か相談に乗っている、イメージ。
でも、心理カウンセラーとは、どう違うの?

そう思われるケースも。

かくいう僕自身、以前はそうでした。

そこで今回、この記事ではソーシャルワーカーについて
出来るだけ簡単に、かみ砕いて解説いたします。

説明のみならず、現実のエピソードも交え、お話します。
ひと通り読んで頂けると、きっとイメージが鮮明になると思います。

何をするお仕事?

まずは、結論から。

社会生活で、困っている人の相談に乗り、
支援をして、一緒に問題解決を目指す。

こうした役目の、職業です。
では、どういう方法で、課題の解決を目指すのか?

基本的には福祉の制度を、使うことに加え
相談者を取りまく周囲の状況や、人間関係に着目。

必要に応じ、人同士を結びつけたり、新たな環境に
アプローチできるようにします。

たとえば・・1人暮らし高齢者の、孤独解消と
生活で充実を得るため、地域の趣味サークルにつなげたり
新たにコミュニティを作って、参加して貰う。

こうした事も、立派なソーシャルワークの1つです。

もちろん「○○があります、参加しませんか?」と、
うながすだけでは、ただの紹介人や、仲介者。

ご本人の性格・趣味・状況などを把握し、
また必要であれば事前に、繋がる先の人々や、
受け入れるコミュニティにも、接します。

決してムリなく、利用者が本心から望み
その方向へ歩めるよう、環境を整えます。

なおソーシャルワーカー関連の求人は、多くの場合
社会福祉士の資格取得が、要件とされます。

カウンセラーとの違いは?

ソーシャルワーカーは具体的に「○○という制度を使いませんか?」
と提案したり、具体的な環境変化に、働きかけますが、

心理カウンセラーは、メンタルの回復や治療を、いちばんの目的とし、
心の整理や社会復帰自己成長ができるよう、サポートします。
主な資格として、臨床心理士公認心理師などが、あります。

なお両方とも、悩む方の話に耳を傾けます。

そして気持ちを察し、言葉を選ぶという面では・・
どちらにも通じる共通点も、あります。

ただ目指す方向や、解決手段としては、上記のように
違いがあります。

また活躍する職場も、ソーシャルワーカーは
福祉の関連施設や病院が多いのに対し

カウンセラーは企業や学校などが、多いです。

ただ最近は「スクール・ソーシャルワーカー」を
配置する学校も、少しずつ増えつつあります。

今後の状況次第では
スクール・ソーシャルワーカースクール・カウンセラー
ともに協働する機会も、増えるかも知れません。

MSW(メディカル・ソーシャルワーカー)

ソーシャルワーカーが活躍する職場は
およそ“福祉”に関する、仕事の全域にわたり
非常に、幅が広いです。

なお多くの方が将来、関わる可能性が高いのは
高齢者福祉の分野ですが、同時に、病院に配属される
MSW(メディカル・ソーシャルワーカー)も、その1つ。

すべての医院にいるわけでは、ありませんが、
大病院などでは、配置されているケースが多いです。

具体的な、相談例ですが・・

たとえば入院された患者さんは、直接の治療以外で
不安や悩みを、抱かれる事も、多いです。

・退院したあとの、暮らしが心配。
・転院先の病院について知りたい、相談したい。
・医師に病状を説明されたけど、よく分からなかった。

そうしたとき、患者さんの立場となって
相談に乗るのが、MSWです。

また・・とつぜん路上で倒れた方が、救急車で運ばれ、
治療はしたものの、身内がなく、お金もないケースなど。

この方の治療費や、今後の支援は、どうすれば?

医師、看護師、事務員の方だけでは、難しいです。
こうした場合においても、MSWの出番となります。

ソーシャルワーカー同士の連携

働く分野は違っても「社会」は繋がっており
ちがう職場の、ソーシャルワーカー同士で
連携や、引継ぎが行われるケースも、多いです。

前項の、収入なく、救急搬送された方の例では
MSWは生活保護のケースワーカーに連絡し

病院を訪問してもらい、退院後の暮らしも含め、
経済面で、支えることになると、思われます。

なお僕自身も、しばしばMSWと連携する事があります。
以前リハビリ病院から、引き継いだ例としましては、

Dさん(76歳女性・一人暮らし)
階段で転倒し、大腿骨頸部骨折で入院。
手術とリハビリを経て、退院。
杖を利用して、なんとか1人で歩けるものの、
今の状態では、自宅生活に困難が予想される。

“困難”を具体的に言いますと、たとえば・・

・自宅の入浴中、すべって転倒してしまったり、
浴槽をまたぐことも、難しいのでは?

・スーパーに買い物に行き、食材を持ち帰れるか?
・自宅のお掃除が、お1人で出来るか?

病院を訪問し、リハビリの様子を見させて頂くと、
こうした困難が、予想されました。

自宅に戻ってから「できない、困った!」となっては、遅いので、
退院日まで、様々な福祉事業所も交え、打ち合わせをしました。

自宅のお風呂場には、手すりを設置。
買い物や、掃除をホームヘルパーが支援。

こうした環境を整えたうえで、Dさんの担当は
MSW→僕に引き継がれ、生活を支援することになりました。

このように職場や地域を越え、
ソーシャルワーカー同士が、連携するケースも、
多数あります。

書籍紹介

それぞれ、MSWと生活保護ケースワーカーのお仕事が、よく分かります。どちらも物語として面白くするため、多少ドラマ性をもたせてはあるものの、とてもリアルな出来事に近いです。マンガで読みやすいので、ご興味があれば、ぜひ手に取ってみて下さい。

また以下の書籍は社会福祉士(ソーシャルワーカー)として、どのような支援や、心がけが必要か。とても的を得て、書かれています。これから目指したい方や、深く知りたい方は、是非いちど読んでみて下さい。

まとめ

ソーシャルワーカーのお仕事は、どの分野においても
人間理解の連続なのですが。

僕はこれまで、いろいろな失敗も、してしまいました。
最初の頃などは、知っている福祉の制度を
“使いたい・紹介したい”気持ちが、強く出てしまい・・

まだ状況整理のついていない、相談者に、
早すぎる話をしてしまうなど、未熟さ丸出しで、
恥ずかしい、限りでした。

今もなお、決まった正解はなく、まいかい試行錯誤ですが、
先々にかけ、多くの方に必要とされる、職業なのは間違いありません。

深い意味で「人間が好き」な方に、向いている、お仕事だと感じます。

今回、解説した内容も、数あるお仕事の
わずかな部分では、ありますが、

ぜんたい理解への、ヒントとなっていたら、嬉しいです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました