【書評】風の中のマリア【百田尚樹が描くスズメバチの物語】

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こんにちは、ハラッパです。

とつぜんですが、僕は10年まえ、足の甲をスズメバチに刺されたことがあります。

ものすごい激痛。そして足は1.5倍くらいに腫れ、毒の強さにも苦しみました。

以来、ブーンという重厚な羽音で、近くを飛ばれようものなら、すごい恐怖を感じました。

たとえ刺されたことはなくても、もうスズメバチは、あの姿かたちが、恐ろしいですよね。

何を考えているか分からない、モンスター、またはエイリアンのようにも思えます。

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今回、ご紹介する本は、そんなスズメバチが主役の小説。

終始、物語になっていますが、完全にスズメバチ目線で書かれていて、読み終わると

彼女ら・彼らの生き方、価値観、考えが、とてもよく分かります。

なんで、そんなに狂暴なの?という風に見える理由や

脅威を与えたり邪魔をしなければ、本来、人間を攻撃する理由はないことも分かります。

以下、ストーリーのネタバレはありません。

風の中のマリア

ハードカバー版の帯

意外に思うかも知れないですが、スズメバチは全体の9割くらいが、メスです。

そのため作中もメスの登場人物(蜂?)が多くを占めていて、主役のマリアをはじめ

女王蜂のアストリッド、マリアの先輩であるキルステンなど、華麗な名前がつけられています。

そしてマリア達は巣を守る戦士であり、エサを狩るハンターです。みんな・・

“疾風”のマリア
“雷(いかづち)”のキルステン

など、カッコいい呼び名がつけられています ^^

また、作中の昆虫は全員、人語をはなす設定になっています。

でも思考はスズメバチそのもの、たとえば・・

マリアがエサの昆虫を発見 → ターゲット「私には子供たちが。お願い、助けて!」

ここで、こども向けアニメ等であれば、見逃してあげたりして。後々の展開で・・

「あのときは、ありがとう」「あなたも、優しい心があるのね」といったセリフがあって

心が通い合ったり、友達になったりしそうな場面ですが・・

そういう人間の視点は、一切ありません。

エサとみなされた虫に、なにか事情があろうが、命乞いしようが・・

「あなたは食糧になるのよ」→「ギャーッ!!」

といった具合です、、

でも、これが肉食たるスズメバチの定め。

そうでなければ、自分たちが飢え死にして、滅んでしまうのです。

スズメバチの生き様とは

マリア達が生きるフィールドの地図

作中でなんども出てくるのですが、スズメバチの生き方は過酷で、残酷で、

そのうえ毎日、生きるか死ぬかの闘いの連続です。

ときおり、他の昆虫から
「君たちは、どうして、そんな生き方をするの?」
「もっと、楽しく生きた方がいいよ。」

そんな言葉を、投げかけられます。

最初は一蹴するものの、じつは胸に刺さっていて、辛くなると心によみがえってきます。

マリアは最終的に、どんな答えを出して行くのでしょうか?

所感

僕は、百田尚樹の代表作で、ゼロ戦を舞台にした「永遠の0」も読んでいました。

・・それもあってでしょうか。

スズメバチの生き方と“旧日本軍”って、どこか考えが似ているなと感じました。

自分にはとても、どちらも真似できそうにないです。

でも読後は“そうだったのか!”という理解は、出来るようになりました。

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・・道をあるいていたら“ブーン”という重厚な羽音の、スズメバチ。

今までのじぶんは「ひっ!」と恐怖で、飛びのく勢いでしたが

この本を読んでからは「あれはマリアかも知れないな」「エサを探し中なのかな」と、

なんだか、スズメバチ視点で見られるようになりました ^^

正直いまでも、ちょっとは怖いです。

しかし“ただのモンスター”にしか見えていなかった以前とは、

まるで違って見えています。

まとめ

この小説は本当に感動したので、まえ仕事の休憩時間に、みんなに勧めてまわりました 。

ちなみに、女性が多い職場なのですが・・

「虫は嫌いだったけど、すごい見方が変わった!」
「ラストのあのシーン、涙が出そうだった。」

そんな感想をもらっています。自分以外もやっぱり、そう感じるんだなあと思いました。

勝手に“推薦図書”という形にして、いまも違う人に貸して、読んでもらっています ^^

・・この記事を読み、もし興味が湧きましたら、是非あなたも、手に取ってみてください。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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